希望

821  スザンナとドクター・ジョンホールの時代


スザンナは文豪シェークスピア(1564〜1616)の娘であり、スザンナの夫であるジョンホール氏は当時名医として近
隣にまで名が轟いていたそうです。

一言でいえば、迷信の時代だといえそうです。
この名医の次のような病状に対する処方を紹介します。
喉が痛い患者には、蛙を生きたまま口に入れたそうです。
便秘の人には、石鹸を削って粉末にして、飲ませたそうです。
一般にも、
地面すれすれに育つ野菜は、悪魔(サタン)の影響を受けやすいから食べない。
仰向けに寝ると、死んでしまったと思われ、悪魔に連れ去られるのを恐れ、半分体を起こして寝ました。(ベッドが小さ
い理由)
屋根と部屋の間に仕切りがない家では、麦わらや茅葺の屋根の中から何が落ちてくるか分らない為に、ベッドの上に
キャノピー(天蓋)をつけました。
月(ルナ)の光が寝室に差し込むと、ルナティック(気が狂う)になると信じられ、屋根のひさしを長くしていました。





822  日本のラグビーはスコットランドでは大人気



英国ではラグビーは、広い裾野にまで行き渡った人気スポーツです。

何年か前になりますが、ウエールズのカーディフ近くに滞在していたことがあります。
4年ごとに行われるラグビーのワールドカップが、ウエールズを舞台に行われていました。
丁度その日は、ウエールズのナショナルチームが首都カーディフにあるメインスタジアムで試合をすることになっていた
ので、鉄道に乗り見に出かけました。
スタジアムに近づくにつれて、ファンの熱気が強くなり、とてもチケットが手に入るとは思えません。そこで、駅近くのパブ
へ引き返し、テレビ観戦をすることにしました。
パブの1階も2階もファンでいっぱいで、1パイントのビール・ジョッキを手に持ち、皆な体ごと波のように揺らしながら、時
には歌(ウェールズ国歌?)を一緒に歌うといった風景でした。

そして、今回はスコットランドにやってきて、ガイド女史から日本ラグビーチームを応援するスコットランド人のファンが大
勢いて、日本チームの試合日には顔全体を白く塗って鼻のてっぺんを赤くして、日の丸のように顔をつくり、Happy(ハッ
ピー)と染め抜かれたハッピを着て、応援するそうです。

たとえ勝てなくても、正々堂々闘う日本チームの姿は感動を与えるそうで、ファンによるとフランス人の汚い試合のやり
方とは違うのが、たまらなく好きなのだそうです。







823  Manor(マナー)の名の由来



英国の田舎を旅していますと、バスで5分〜10分走っても途切れることのない、石を積み上げた壁に囲まれた広大な
土地や、村全体を今も一人の人が所有しているとか、ナショナル・トラストが管理している過ってのマナーハウスと庭と
いったものに出くわします。

コッツウォルズ地方を1日案内してくれた、珍しく口達者な英国人男性ガイドは、マナーとは封土(土地を与える)であり、
千年近く昔フランスのノルマンディ地方からやってきたウィリアム征服王が、家来たちに分捕った英国の土地を分け与
えたのが始まりだそうです。
私たちが訪ねた庭園は、ナショナルトラストの管理になっていますが、石造りのマナーハウス(貴族の田舎での館)や立
派な家族専用のチャペルが残っていました。

オックスフォード近くの広大な土地の中に住まいするスペンサー家のブレナム宮殿は、18世紀はじめのスペイン王位継
承戦争で勲功を上げたジョン・チャーチルがアン女王から与えられた封土であったのを思い出しました。





824  夏の早朝の'九題'


一粒の麦が地に落ちなければ、それだけだけれども、落ちれば多くの実をつける
1. Unless a grain of wheat falls into the earth and dies , it remains alone ; but if it dies , it bears  
much fruit .
                          聖書
  (イエスが死んで、人類は救われたことをさしているようです)


一人一人の人生は, 神により書かれた童話である
2.Everyman's life is a fairy -tale written by God's finger
                   アンデルセン
  (誰もが童話の主人公たりうる生を与えられています)


過去の中に住むことをせず、未来を夢想せず、今の瞬間に心を集中しなさい
3.Do not dwell in the past , do not dream of the future 。 Concentrate the mind on the present  
moment 
                   ブッダ
  (今を大切に生きることを説いた達人でした)


諦めなかったアマチュアだけが、プロの作家になれる
4.A professional writer is an amatuer who did not quit
  ( 希望を持ち続けなさいということのようです)


人生ゲームを真剣に生きる人は、尊大な観客よりはより多く楽しむ
5.The sweaty players in the game of life have more fun than the supercilious spectators
                     ウィリアム フェザー
 ( 傍観者や批評家的生き方を糾しているようです)


勇将の下に弱卒なし
6.An army of sheep led by a lion would defeat an army of lions led by a sheep
                    アラブの格言
  (リーダーの 資質の大切さを説いています)


7. 死はそれほど恐れることではない。 むしろ不十分な生き方を恐れなさい
                                         ベルハルト・ブレヒト
  (詩人で劇作家でナチスから逃げて逃亡生活をした)


よき教師は説明し、優秀な教師は証明して見せるが、偉大な教師は生徒を鼓舞する
8.The good teacher explains . The superior teacher demonstrate . The great teacher inspires .


明日死んでもいいように生きなさい。 永遠に生きるつもりで学びなさい。
9.Live as if you were to die tomorrow . Learn as if you were to live forever
                       マハタマ・ガンデ
ィ                                                   





825  軍楽隊のマーチは何時頃始まったのだろう?



明治維新(1868)をもたらした官軍の兵士達が軍楽隊の演奏に鼓舞され行進して行くのを映画では見ました。

ロンドンのバッキンガム宮殿での近衛兵の交替式でも、軍楽隊が先導しています。
アメリカ合衆国の英国からの独立戦争の場面でも,整然と隊列を組んで陣形をとる英国正規軍は、軍楽隊の演奏に合
わせて動いていた印象ですし、絵などを見ますとゲリラ戦を得意としたアメリカ軍の先頭にも、星条旗のデザイン服を着
てシルクハットを被った背の高い男性(ヤンキー?)と彼の2人の仲間が、楽器を手に持っていたように思います。

歴史に有名な1453年5月28日から29日にかけて行われたコンスタンチノープル(現在のイスタンブール)要塞攻撃でも、
オスマン・トルコ軍は軍楽隊の演奏に大いに士気を鼓舞されながら戦ったそうです。
守るビザンチン帝国の猛将はコンスタンチヌス11世で、信仰・祖国・家族・友人の大切さを説いた人で、それまでの幾
度に亘る攻撃に耐えてきました。しかし、その日の朝だけは違っていました。スルタン・メヘメット2世は機略を用い、5
キロの道の上に丸太棒を敷き、牛に引かせた400隻の軍艦をマルマラ海から金閣湾へと山越えさせました。
マルマラ海とコンスタンチノープルの横腹に当たる金閣湾との間には、鉄の鎖が張ってあり、決して軍艦が入ってくるこ
とはないはずでした。従い、金閣湾側の守備は薄くなっていました。更に高額で購入したトルコ軍のウルバン大砲から
放たれた500キロの鉄の玉が要塞の壁を崩し、難攻不落を誇った町は落ちてしまいました。

久し振りにトルコを訪れた際、バスの中でガイド氏がオスマン軍がこよなく愛し、そして今もよく演奏されるという軍楽隊
の行進曲のテープを聞かせてくれました。








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